注文される横断幕やのぼり旗の活躍する場所には、歩道橋やガードレール、電信柱などがあります。
これらは不特定多数の方が目にし、効果的な宣伝やPRが行なえるポイントです。
しかしこうした場所に無断で特注横断幕やのぼり旗を設置すると実は道路交通法の違反となっている場合があります。
道路上に看板や日除けを設置するなど、道路に一定の施設を設置して継続して道路を使用することを「道路の占用」といいます。
道路占用のルール
公共の道路や歩道には、みんなが快適・安全に使用できるよう、ルールが定められています。
• 突出看板及び日除けの場合は、出幅1.0m以内とします。
• 壁面看板の場合は、出幅0.3m以内とします。
• 突出看板・日除け・壁面看板の最下部と路面との距離は、高さ2.5m以上とします。
• 看板は、個人で2物件まで許可とします。
許可を受けられないもの(道路(歩道)上に置けないもの)
置き看板・立て看板
• 商品置場・自動販売機
• ノボリ旗や横断幕
• 露店、売店
• 装飾ひさしや軒
• クーラー室外器、フラワーポット
• 資機材、自動車
• 広告、看板などの支柱
※設置の期間(一時的)によっては許可となるものもあります。
※許可なく歩道や車道を個人的に利用することはできません。
許可を受けられるもの(許可が必要なもの)
電柱、電線、公衆電話ボックス、郵便ポスト、バス待合所など
• 上水道管、下水道管、ガス管、用水路など
• 鉄道、軌道など
• ひさし、日除け
• 街路灯、アーケードなど
• 看板、標識など
• 工事用板囲、ビルなどの工事用仮囲や足場、工事用詰所など(工事期間のみ)
• その他
※それぞれ物件・施設に応じ、許可条件があります。
※ビル工事等で歩道の切下げが伴う場合は、あわせて「道路工事施行承認申請」も必要になります
※許可なく設置することはできません。
設置を希望する場合は、所轄の警察や地方自治体に許可を貰うことが必要になります。
地方自治体による景観保護の条例がある場合もあります。
制作の前に、よくご確認ください。
道路占用許可を取得する場合も行政担当の方に詳細を確認して下さい。
道路法第32条は全5項からなる条文
道路占用許可について書かれています。
第1項
道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない 。
① 電柱、電線、変圧塔、郵便差出箱、公衆電話所、広告塔その他これらに類する工作物
② 水管、下水道管、ガス管その他これらに類する物件
③ 鉄道、軌道その他これらに類する施設
④ 歩廊、雪よけその他これらに類する施設
⑤ 地下街、地下室、通路、浄化槽その他これらに類する施設
⑥ 露店、商品置場その他これらに類する施設
⑦ 前各号に掲げるものを除く外、道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞の
ある工作物、物件又は施設で政令で定めるもの。
のぼり旗や看板などは7号に該当します。
対象物を道路に置いた場合、長期間設置する場合、空中から地下まで対象物を道路に設置して
道路の構造や交通に支障が発生する場合は許可が必要です。
第2項
道路の占用(道路に前項各号の一に掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用することをいう。以下同じ)の目的
① 道路の占用の期間
② 道路の占用の場所
③ 工作物、物件又は施設の構造
④ 工事実施の方法
⑤ 道路の復旧方法
道路の占用にあたり、場所や期間など、道路管理者に申請書を提出する必要があります。
第3項
第一項の規定による許可を受けた者(以下「道路占用者」という。)は、前項各号に掲げる事項を変更しようとする場合においては、その変更が道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のないと認められる軽易なもので政令で定めるものである場合を除く外、あらかじめ道路管理者の許可を受けなければならない。
使用期間や使用場所、形状が変更になる場合は、もう一度許可を取得しなければならない可能性が
あります。
第4項
第一項又は前項の規定による許可に係る行為が道路交通法第七十七条第一項の規定の適用を受けるものである場合においては、第二項の規定による申請書の提出は、当該地域を管轄する警察署長を経由して行なうことができる。この場合において、当該警察署長は、すみやかに当該申請書を道路管理者に送付しなければならない。
道路を独占使用する場合の規定事項です。
第5項
道路管理者は、第一項又は第三項の規定による許可を与えようとする場合において、当該許可に係る行為が道路交通法第七十七条第一項 の規定の適用を受けるものであるときは、あらかじめ当該地域を管轄する警察署長に協議しなければならない。
道路を貸し出す側への申し付けです。
幕やのぼりを道路に設置する上で、注意すべき法律について簡易的に
説明させていただきました。
法律を知らずに思わぬ罰則を受けるより、法律を理解した上で対処してトラブルを回避
して頂ければ幸いです。